ここでは、生産の特性と製造工程の違いに着目したいと思います。生産の特性にもさまざまな分類がありますが、ここでは大きく二つに分類される「組立加工」と「プロセス加工」に着目します。

組立加工は、自動車、電機メーカの製造ラインをイメージするとわかりやすいと思いますが、加工済みの部品やユニットを互いに組み合わせて製品を完成させる生産方法です。アセンブリ型とも言います。
これに対して、プロセス加工は化学メーカのプラント工場を考えてもらうとイメージがつかみやすいでしょう。液体や粉末の原材料を生産設備に投入して、原材料を混合・加熱・冷却などの処理を行い、化学変化や物理変化を通じて連続的に製品を生産する方法です。
一般的には、生産設備は大がかりで、原材料を投入し、生産設備を制御することで、一連のプロセスを経て製品が出来上がります。化学メーカ以外にも食品加工などでも見られます。
両者の違いは、原材料の投入や製品の完成数量といった出来高の測定方法にも現れます。
組立加工では、個体の部品や製品を取り扱うので、個数による測定が一般的ですが、プロセス加工では液体や粉末などを取り扱うため、個数による測定が難しい場合もあり、重量や容量で測定することも多く見られます。
原材料の名称についても、その特性にも関係しますが、組立加工では「部品」や「資材」と呼ばれることが多いのに対し、プロセス加工では「原料」や「原材料」と呼ばれる傾向があります。
また、製造品目を切り替える際には、組立加工に比較して、プロセス加工では、異なる製品を製造する際に原料の混在を避けるため、設備の洗浄や滅菌といった切替作業に時間と手間がかかります。