見込生産型・製造業の業務プロセスについて、顧客への直接販売を例に受注から出荷・検収・サービスおよび回収までの流れの概要を整理します。

受注・出荷・検収
営業部は、顧客への営業活動、見積もり提案を行い、所定の取引条件にもとづき顧客から個別の受注を受けます。
営業部は、受注を受け、販売管理システムに受注データを取り込むか、受注入力を行います。商品の在庫状況を確認し、製品在庫があれば出荷指示を行い、製品在庫がなければ、製造部経由で製造指示を行い、製造完了を受けて、出荷となります。出荷・配送については、物流課が担当します。
物流課が荷揃を行い、システムより納品書を発行し、出荷・配送業務を行います。納品書の控え、あるいは受領確認を回収し、伝票類を保管します。
実務上、売上の検収確認や受領書の回収を工場の物流課が担うことがありますが、売上の会計処理は経理課が実施します。
売上返品については、顧客からの返品理由を営業部が確認して返品を受け入れるか否かを判断し、会社としての返品の承認を行います。返品の理由が品質に関する場合、品質管理部、生産部へ共有され、改善が図られます。
返品時には出荷金額と同額をマイナス処理として、返品伝票を起票します。この結果、売上は減数し、在庫が増加します。なお、返品された製品が再販可能かどうかは、品質確認後に判断されます。再販不可の場合は在庫計上されず、廃棄や再加工の対象になることもあります。
売上締め日前後の処理は請求明細へ影響を与えるので売上返品に際しては迅速かつ正確な処理が求められます。
サービス

大型機械や装置など製品の特性によっては、販売時点での製品の設置工事、初期設定やトレーニング、販売後に修理作業といったサービス(役務提供)が伴います。
販売時点でのサービスは営業担当がアレンジして、サービス担当に伝達される場合が多いですが、アフターサービスの要請については、営業経由で伝達される場合もあるものの、サービス受付用のコールセンターを設けて集約している場合もあります。いずれにしても、顧客のサービスニーズを事前に確認し、訪問日程を組み、サービスマンが訪問し、役務提供を行います。
役務提供時には、作業伝票を起票して、顧客から役務提供実施の確認を得ます。修理などでパーツの交換が発生する場合も作業記録にパーツ品を記載することで納品書の役割も果たす場合があります。
アフターサービスについては、あらかじめ製品購入時に取り決められた一定期間の無償サービスとそれ以降の有償サービスに分かれます。有償サービスの場合は、作業伝票の控えをもとに売上・請求業務を行い、修理などでパーツの交換が必要になった場合は、在庫から払い出しを行います。
サービスは顧客(エンドユーザ)に直接接する業務のため、その品質が顧客満足に大きな影響を与えます。また、苦情や新たなニーズなど、エンドユーザの要望に直接触れることで、非常に重要なフィードバックを得ることができます。
請求・回収
情報システムを経由して、顧客への出荷情報、または顧客の検収情報、サービス提供情報が管理部(経理)に集約されます。そして、顧客企業の請求締め日に応じて該当期間分の売上に対する請求書、あるいは請求データが作成され、顧客へ送付されます。
部品メーカーなどでは、大手企業が販売先となるケースが多く、自社では請求書を発行せず、顧客側が認識した仕入債務に基づいて所定サイクルで入金を行う「支払通知方式」が採用されることがあります。
顧客と事前に取り決めた支払期間(サイト)、および回収方法にもとづいて、決済が行われます。顧客からの入金確認は管理部(経理課)で行い、その結果を営業部にシステム経由でフィードバックし、売掛金の発生単位(例:請求書単位、受注単位など)に売掛金の消込作業を行います。この消込作業により、未回収の売掛金が特定できます。
売掛残高は相手先別に毎月、営業部の各責任者が残高確認を行います。特に、回収の遅延や未回収状況については各営業担当別リストにより振り分け、迅速に確認を行う必要があります。回収が遅延した債権について、営業部は、売掛金発生からの期間に応じて、請求の再発行や電話による督促など顧客への回収アプローチ方法を変え、遅延先に対する早期回収を実施することになります。

